音楽・楽器

日本の伝統楽器とその音色を楽しみながら、文化を学び、心と視野を広げる「鈴木麻衣の箏・十七絃・二十五絃箏・三絃教室」

「一音一音の音色に想いを込め、響きを大事に。生徒が出す音そのものを自分自身で聴き、感じ取ってもらいたい」と、箏・三絃の教室を開かれている、鈴木麻衣さん。日本の伝統楽器の魅力を伝えるため、ワークショップやイベントでも精力的に活動されている鈴木麻衣さんに、楽器やスクールの内容について、インタビューしました。

2017年12月27日更新

鈴木 麻衣(箏・二十五絃箏・三絃奏者)

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箏・三絃の歴史や特徴は、楽器に触れながら少しずつ知ればいい

——箏は、どのような特徴があるのでしょうか。

箏、三絃ともに日本の伝統楽器です。箏は、奈良時代に中国からきた楽器です。桐の木でできており、中は空洞になっています。弦は、昔は絹糸を張っていましたが、湿度や気温によって伸びてしまったり切れやすくなるため、現在ではテトロンという化学繊維が主に弦として使用されています。そして、箏柱(ことじ)と呼ばれるブリッジを弦にかけ、弾いて音を出します。音の高さは、箏柱を動かすことによって変わります。チューニングは曲に合わせて、箏柱を移動させて行います。

演奏方法は、右手の親指・人差し指・中指に、象牙でできた「爪」と呼ばれる道具をはめて、演奏します。左手は、弦を揺らしたり、弦を押さえて、音の高さを変えたり、余韻を高くしたり低くしたりします。左手で弦を弾くこともあります。

流派は大きく分けて、生田流と山田流があります。生田流は、爪が四角く、山田流は、丸い爪を使っています。また、座り方を見ても違いがわかります。箏に対して、斜めに座るのが生田流、まっすぐに座るのが山田流と、奏者を見るだけで違いがわかります。

箏は、一般的に13本の弦楽器ですが、低音の音が出せる、主にベース担当となる十七絃や、幅広いジャンルの曲が弾けるよう、二十五絃、三十絃といった楽器も開発されています。

——三絃の歴史はまた違いますか。

元々、中国の三弦(サンシェン)といった楽器が、琉球に伝わり、三線として広まりました。それが、江戸時代に大阪へ伝わりました。三線は、蛇皮を使用しておりますが、大阪には蛇はあまりいなかったので猫皮を使うようになりました。また、三線は爪やピックを使いますが、大阪に伝わった際、弦楽器の琵琶を弾く僧・琵琶法師が初めて手に取ったとされています。琵琶では撥を使っていたので、その名残として、三絃でも撥を使うようになりました。

三絃にはいろいろなジャンルがありますが、楽器そのものもジャンルによって違ってきます。棹の細い細棹の三絃は、主に長唄、中棹は地唄、太棹は津軽や民謡向けになります。棹は主に紅木や花梨といった木を使っています。三絃に張られている皮は、猫の他、犬やカンガルーの皮が使われています。

そして三絃の一番の特徴が、サワリというもの。これは、一番太い糸「一の糸」のみ、棹にわずかに触ることで、ビーンと低く雑音のようなものが生まれます。このサワリによって響きをより伸ばす効果があります。

三絃は、右手に撥をもち、左手は糸を押さえて演奏します。左手の糸を押さえる場所を変えて、音の高さを変えていきます。撥で糸を触るだけでも音は出ますが、糸を触った流れで皮に撥を当てることも三絃の特徴です。

ただ、楽器の歴史や特徴は、事前に知っていなくても大丈夫!楽器に触れてみて、その世界への興味がもっと湧いてくるはずですから、まずは音色を楽しみましょう。

最初は講師ではなく演奏家になりたいと考えていました

——楽器に初めて触れたのはいつでしたか。

祖母が箏を教えていたため、3歳頃から祖母に習い始めました。

高校生の時に、初めてドイツへ演奏しに行きましたが、現地の方々にとても喜んでいただけました。また、楽器や音色だけでなく、着物にまで興味を示してもらえたことが印象に残っています。自分の国の文化を知っていることで、海外の方へ説明ができ、そこからまた人と人、異文化のコミュニケーションが生まれるのだと気づかされました。

その頃は、演奏家になれたらと夢を抱いていました。しかし、学校の和楽器体験授業やワークショップで教える機会をいただいたとき、教えるということが楽しいものだと感じました。そうして、次第に講師としても和楽器の良さを伝えたいと、以前よりも思いが強まっていきました。

現在は、教室運営と並行して、出張演奏で各種イベントへ出席させていただいたり、コンサートも開催させていただいています。

企業勤めも経験した後、演奏活動にも専念

——教室を開業するまでは、どういった経緯だったのでしょうか。

日本の伝統楽器でありながら、習う人が少ないという現状がありますよね。ピアノのように、箏や三絃もたくさんの人に知ってもらい、触れてほしいと思ったことがきっかけです。大学卒業と同時に生徒を募集し始めました。

ところが、思うように生徒は集まりませんでした。実は、演奏活動と両立できる環境の時短勤務など、活動に理解いただけた企業に勤めた時期もあるんです。数年でしたが、社会経験を積むことができたことは、後の演奏活動にも活きています。

——そうだったんですね。ぜひ、お教室の特徴を教えてください。

西洋の楽器では出せない、和楽器ならではの、一音一音の音色に思いを込めたり、響きを大事にしたりと、生徒さんが出す音に自分自身で聞いてもらうことを重要視しています。日本の伝統楽器ということで、礼儀作法も教えています。

箏の場合は、初心者は「さくらさくら」など簡単な曲からすぐに弾くことができるようになりますよ。海外の方なども知っている「きらきら星」のメロディーも、入りやすい曲です。

三絃の場合は、弦の扱い方、撥の持ち方、押さえる指の運び方など、ゆっくりていねいに教えていきます。こちらも童謡や初心者向けの曲を入口として、楽しく学ぶことができます。

また、お稽古の時間は、固定しておりませんので、生徒さんの都合に合わせています。お稽古が続けやすいと評判をいただいています。

——生徒さんはどのような思いで、入会されていらっしゃいますか。

小学生からご年配の方までいらっしゃいます。やはり、箏や三絃の音色が好きという方が多いです。知識や経験はなくとも、伝統芸能や和の文化を学びたい、といった好奇心で始められる方、心を育む情操教育としてお子さまの習い事で初めて触れられる方などさまざまです。

ポピュラーな曲も箏や三絃で弾けるんです

——生徒さんとのコミュニケーションで工夫されていることはありますか。

演目は古典がほとんど。もちろん大事で、知ってほしいジャンルと言えるのですが、たまに、ポップスなどの多くの方が知っている曲を取り入れることで、生徒さんに楽しみながらお稽古に取り組んでいただいています。

技術的に難しい演目でも、弾き方のヒントやポイントを伝え、1フレーズごとにできるようになることで、やる気を起こさせていますよ。

——生徒さんの成長が見えるのは、講師として大きな喜びですね。

小学生の生徒さんに、演奏会のために少しレベルの高い曲を教えていた時、始めは楽譜通りではなく、ところどころ音を抜かして弾きやすくしたり、歌は歌わずに弾くことに専念させるなど、少し簡単にして覚えてもらおうしたことがあります。ところが、生徒さんは暗譜をするし、弾き歌いもできるようになるし。とても驚きました。馴染みのない演目で、最初は気分が乗らなかったこともあるかと思いますが、みるみるうちにできるようになったのは、本当に嬉しかったです。

合奏という演奏スタイルの感動も体験してもらえたら

——教室運営はいかがですか。

ホームページを更新したり、教室のチラシを作成して掲示をお願いしたり、配布をして、だんだんと人数が増えてきました。人数がたくさん集まったら、発表会をしたり、独奏だけでなく、合奏することの楽しさを知ってもらったり、楽しくやっていきたいなと思っています。今は、生徒さんたちの楽しんでもらえる姿を見ることができ、私のやりがいにつながっています。

箏や三絃に触れてみると、それらにつながる伝統芸能や工芸品、江戸期の遊びなど、歴史や文化、アートについても広く興味が湧いてくるものです。楽器をすぐに準備する必要はありませんので、ぜひ一度体験してみてほしいと思います。

——終わりに、これから教室を開かれようとされる方々へのメッセージをお願いします。

私は、教室運営だけでなく、箏や三絃をもっと知ってもらえたらと、イベントやコンサートでも演奏しています。そのような経験で得たものも、生徒さんへの提案やコミュニケーションツールのひとつとして生かせればと考えています。お教室を開かれるには、自分の特徴を活かすことが大事ですよね。そして、人とのつながりも大切にしてもらいたいなと思います。

お教室情報

  • 教室…柏教室、赤坂教室
  • 入会金…5,000円(税込)
  • 月謝…お稽古1回(約60分)3,000円(税込)、月3回の場合は8,000円(税込)
  • ※赤坂教室は月2回のお稽古になります。

  • 体験…1,000円(爪や楽器などはお貸しします)
  • 稽古は一回毎に都合の良い日をお伺い致します。お稽古場所、曜日、お時間などはご相談に応じます。

  • 内容…三味線(三絃)、箏(十三絃)、十七絃、二十五絃
  • 必要なもの…箏の爪一組/4,000円〜10,000円 (爪の素材によって値段は異なります)
  • 楽器について…お箏がない方でも、すぐに楽器を準備する必要はありません。レッスンをしていく上で、一人ひとりの生徒さんにあった楽器を一緒に考えさせて頂きます。
  • ※レンタル楽器も用意いたしておりますのでご相談下さい。(月/2,000円)
    希望される方は、作曲家・宮城道雄で有名な箏曲宮城会会員になることができます。
    お免状の取得により、師範、教授制度、国立劇場やNHKホールなどの演奏会へ参加する事ができます。

  • URL…http://maimusic.jp/
  • お問合せ…http://maimusic.jp/lesson/contact/
  • アクセス…
    柏教室)千葉県柏市千代田1-7-3 駐車場あり
    赤坂教室)東京都港区元赤坂1-4-21 赤坂パレスビル 2F
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