犬と人のスマートな共生をめざす…ワンランク上のドッグトレーニング「DOGSHIP」須﨑大

「DOGSHIP Harbor」は東京タワーにほど近い、東麻布の建物の2階・3階にあります。船室を思わせるインテリアで、まるでどなたかのご自宅のようなたたずまい。非常にリラックスできる場所になっています。お邪魔すると、お預かりトレーニング中のトイプードルちゃんやチワワちゃん、ゴールデンレトリーバーちゃんが寄ってきて、歓迎してくれました。自らの活動を航海に例えて、犬と共に乗り込む船がDOGSHIP。リーダーである須﨑大先生は「キャプテン」です。

2017年12月14日更新

趣味・仕事・起業

須﨑 大(DOGSHIP主宰)

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須﨑先生いわく、ここは「家庭の再現」なのでソファーやテーブルもある「お部屋」にしてあるのだそう。須﨑大先生は2000年から都内を中心に犬のトレーニングをしていますが、こういったトレーニングのスクールを自身で開校したのは2014年とここ最近。都会で犬と共生するために、常にワンランク上のトレーニングメソッドを提供し続けるDOGSHIP・須﨑先生。口コミや信頼関係がある獣医師からの紹介を主に顧客からの信頼を得ている、その秘訣についてお伺いしました。

DOGSHIP Harbor~預かりスクールは「群れの中で犬同士が関わって学ぶ場所」

「これまで飼い主さんのお宅へ伺う、出張トレーニングが最も効率がいいという信念のもとやってきました。その犬が暮らしている環境を見て、その場でトレーニングすることで飼い主さんが明日から犬にどう接すればいいか?理解しやすい。でも、1週間に一度というトレーニング頻度だと、次回までに『これをやっておいてください』と飼い主さんにお任せすることになるんですね。多忙の飼い主さんはなかなかそれができない。

トレーニングの効率をあげるのが難しいな、という場合もある。そんなことを感じていた頃、事情があって我が家にある飼い主さんの犬を預かることになったんです。もともとトレーニングを担当していておトイレのお悩みなどがある子でした」と、須﨑先生はスクール開校の経緯についてお話ししてくださいました。犬をご自宅に預かった時に、犬同士の中でコミュニケーションすることで、学習効果が上がるということに気づいたことがきっかけだといいます。

「その犬を預かってみて、うちの犬たちと共同生活をしたら…うちの犬たちがその子に『それはルールが違うよ!』と教えはじめて。その子が我が家の環境に順応し始めて、犬として経験を高めていったんです。犬にとって、こういう群れの犬同士の学習って大事だな、と感じました。犬が自分を周りの環境に合わせる、というのはとても大事なんですね。普通は、どうしても人間が犬に合わせてしまいがちですから(笑)。犬が勘違いしてしまう部分を、群れの学習の中で、修正することができる」。

須﨑先生の「DOGSHIP Harbor」は単にトレーニングをトレーナーが犬に教えるというだけではなく、犬同士のコミュニケーションを犬が学習するための預かりスクールなのです。また、お預かりのペットホテルでは犬のお散歩は「運動のため」「ストレス発散のため」という視点が強いのですが、DOGSHIPではお散歩も少し視点が異なります。近くに芝公園もあり、都会でありながらお散歩環境は整っています。

「スクールを開校しましたが、預かりの専門というわけではなくて、トレーニング効果を高めるための一つの『ツール』だと考えています。また、散歩も運動のためというより、トレーニングのためになります。何頭かで散歩に行けば、そこに群れ意識が生まれますし。犬とってそれはとても必要なことです。ハンドラーに従うとか、群れの秩序を乱さないとか、そういった意識を高めるためですね。預かりでのお散歩で犬の意識を変えておいて、飼い主さんも犬への接し方をレクチャーすれば、普段のお散歩もお悩みが減っていくんですね」

愛犬の送迎は基本的には飼い主さまが行い、お迎えの際に今の課題や今後の方針について飼い主にお伝えします。また週末は「飼い主が学ぶ」目的の授業参加やセミナーを開催して飼い主巻き込型のスクールを運営しています。

出張トレーニングとお預かりトレーニングを上手く「ハイブリッド」して、犬と飼い主さんの関係性を改善していく…そんな新しい犬のトレーニングの提示がDOGSHIPの独自性なのだと思いました。

須﨑先生は子どもの頃、実家の外飼いの犬がある冬に寒い空の下、亡くなっていたことに衝撃を受けたそうです。「触れるとすでに体が冷たくなっていて。犬を取り巻く文化を変えたいと思いました」。大学ではロボット工学を学びました。ロボットと犬、少し違う分野のようですが、精密機械のロジックを学んだことで、アナログな動物の世界を学びたいという気持ちが強まったそうです。そして犬のことを学ぶためにカナダに留学。

カナダでは、火気厳禁物探知犬の訓練をイングリッシュコッカーと共に学びました。その時の経験が、「セントトレーニング(嗅覚のトレーニング)」として生かされます。日本の家庭犬に向けに犬との絆を作るメソッドとして、DOGSHIPの一つの特長となるトレーニングです。

飼い主自身がまず変わること…犬と一緒に飼い主が成長するトレーニング

常に須﨑先生が目指すのは「ワンランク上のトレーニング」。実際にトレーニングを習っている生徒さんにお話を伺いました。

チワワのこんぶちゃん、とろろくん、ちーずちゃんと暮らしている竹下さんは、以前は他のしつけ教室でも学ばれていたそうですが「DOGSHIPのトレーニングは他のトレーニングと全く違う。目から鱗だった」とおっしゃいます。

「こんぶととろろの2頭だった時はバランスがよかったんですが、3頭目のちーずを迎えていろんな悩みが出て来てしまい…チーズが吠えると、吠えていなかった上の2頭が吠えるようになって困っちゃって。どうやってその3頭の関係の中に関わればいいか?それを須﨑先生に教えてもらいました。トレーニングを受けると、すごく3頭との関係が変わっていきました」

多頭飼いで飼育されている方は大変多いですが、頭数が増えると犬同士の関係性も複雑になります。須﨑先生は、それぞれの犬の性格を見て、それぞれにどう接したらいいか?を伝えていきます。「犬にどう訓練するか、ということじゃなくて、僕たち飼い主がどう犬に接していくか、人間の方が変わるという視点が大きいな、と思いました」と竹下さん。スクールで預かっている間に新しいトリック(回る、などの遊びのコマンド)を覚えて、楽しそうな3頭。トイレマナーが改善されたり、散歩マナーを覚えたり…普段の生活がとても楽になったとのことです。

トイプードルの空(くう)ちゃん、海(うみ)ちゃんの飼い主が鳥谷さん。空ちゃんが怖がりさんで、キャリーバッグの中から出そうとするとウーッとうなったりしてお困りでした。カフェで開かれたワークショップでDOGSHIPのトレーニングを知り、スクールに。

「前はどう対応していいかわからなくて、何か指示をしようとしてもパニックになってしまって、おやつも食べられないくらいでした。でも今は、指示すれば前よりもずっと早く落ち着いてくれます。私の接し方がとても大事で、私自身が成長しなくちゃいけないって思いました。犬と一緒に私も成長するのがDOGSHIPのレッスンなんです」。トレーニングで飼い主自身が犬への接し方を学ぶ、犬の気持ちがわかるようになる。飼い主自身が変わる…その視点が、DOGSHIPのトレーニングが支持される理由なのだと思います。

動物介在教育を通し、子どもたちに犬のことを伝えて犬との共生をめざす

今、須﨑先生が力を入れているのが、学校に犬たちを連れていき子どもたちに「命の大事さ」を学んでもらう「動物介在教育」なのだそうです。参加する犬たちは、DOGSHIP Harborで学ぶ犬と飼い主さんたち、有志の皆さん。

「動物介在教育に犬たちを連れて行こう、というところまで家庭犬のレベルをあげられるのは、やはりスクールという場があるからだと思いますし、スクールで動物介在教育のセミナーも行っています。自分の愛犬が子どもたちの先生になる!!それって嬉しいことじゃないですか?家庭犬の認知度をあげたいと思っているんです。

子どもたちが犬の気持ちや生態に、家庭犬を通して興味を持って欲しい。そして子どもたちも犬を知ることを通して、自分のことや友達の気持ちがわかるようになってほしい。それが、日本での犬に対する理解度をあげることになると思っています。これからこの活動を日本全国でやっていきたい」。これからの課題としては、この活動を広げるために参加してくれる飼い主さんを増やし、また賛同してくれる学校や教員の皆さんを増やしたい、とのことでした。独自の動物介在教育用のオリジナルのブックレットも作成して、意欲的に取り組んでいます。

広告費用はほとんど使わず…人と人との繋がり・信頼関係を大切に

これまでDOGSHIPは広告に対して、ほぼお金を使わずに経営してきているそうです。「ほとんど、飼い主さんの口コミなんですよね。それと、前にトレーニングを担当していた飼い主さんが、次の犬を飼ってまたトレーニングを受けに来てくれる。雑誌やテレビの取材依頼があれば、精査してお受けしています。保健所といった公からの講演依頼も大切な活動だと思っていますし、真摯に向き合って自分の犬に対する考え方をしっかり伝えたいと思って、取り組んでいます」

一つ一つの取材や講演に対して、信念をもって真摯に向き合う。そのことが、DOGSHIPの理念をしっかり伝えるPRになっているのでしょう。また、獣医師など横の繋がりも大切にして、信頼関係を築き、飼い主さまに対して「獣医学と行動学」双方のサポートが出来るように努めているそうです。「経営的なことに関して一番重要なのは『人』なのだと思います。お客様を紹介してくださる、信頼してくれる人たちや、専門的な人たちとの繋がりが大事ですね」と説明してくださいました。

遠くは福島など遠方から、DOGSHIPのトレーニングを選択されて、通われている方もいらっしゃるそうです。他のしつけ教室に通われても、なかなか改善しにくかった問題にもアプローチできる、DOGSHIPのトレーニングの独自性が、選ばれる理由なのかもしれません。

「DOGSHIPのトレーナーは犬が好きなのはもちろんなのですが、人とのコミュニケーションが取れることがとても大事です。飼い主さんがこちら任せにならず、一緒にトレーニングに取り組んで欲しい。そのためには飼い主さんとのコミュニケーションをしっかり取れる人材が大事ですね」。お預かり中にシャンプーやトリミングも行うそうですが、DOGSHIPのトレーナーである押澤先生はトリマーでもあります。犬の様子をしっかり見ながら、シャンプーやトリミングを好きになれるようにケアしてくれるのも安心できる点です。

動物介在教育のセミナーでは、前回訪れた小学校の生徒さんからの、犬たちへのお手紙が回覧されていました。子どもたちの鋭い視点や、温かい発言に須﨑先生の顔もほころびます。「子どもたちが犬を通して、友達の心がわかるきっかけになり、犬のことに興味をもってくれたら嬉しい。将来、そういう子どもたちが犬を飼う時に、きっと犬に対する考え方が変わってくる。それがのちのち、捨て犬を減らしていくことになると思っているんです」。

犬と人間のより良い関係、共生をめざして、大きく視野を持ちながらしっかりコンパスの指す方向を目指す…犬と一緒に航海を続ける、DOGSHIPには犬も人も笑顔が絶えません。

お教室情報

  • トレーニング料金(一例):問題行動解決プログラム 18,000円/ 90分(須崎先生担当)・15,000円/ 90分(専属トレーナー担当)
  • ハイブリットトレーニング(出張トレーニング&スクール通学トレーニング)…入学金16,000円
  • 月謝制5日間通学(1ヶ月以内)50,000円
  • チケット制24日間通学(1年以内)21,3000円
  • フリー制 月~金好きなだけ通学(1ヶ月)111,000円
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