フラワーデザインを通して女性と生活を彩るフラワースクール「andflower」

海外のインテリア雑誌みたいな花のある生活をしたい!…とは思っても、日常使いで花束を自宅に飾るのはかなりの贅沢です。ところが、プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーと呼ばれる花材を上手に取り入れることで、毎日の部屋にお花のある生活が出来るって、知っていますか?これらの花材を利用すること、じつは教室を経営する立場の先生にとっても、学ぶ生徒さんにとっても生花にはないメリットがあります。今日はその魅力を表参道のフラワースクール「andflower」主催の岸本じゅん子(きしもと じゅんこ)先生に伺いました。

2017年09月14日更新

アート・デザイン

岸本 じゅん子(フラワーデザイナー)

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女性の肌に寄り添う花「Bouquet(ブーケ)」を学ぶ

「andflower」は表参道にあるウェディングブーケ&フラワースクール。お教室の大きな窓からは明治神宮の森を見下ろせ、自然の陽光が差す明るい空間です。教室内を見回すと、本物の花のように精巧なアーティフィシャルフラワーや、ハーバリウム(ガラス瓶に花材とオイルを入れたインテリアグッズ)が所狭しと並んでいます。お教室があるのは表参道の名建築・同潤会アパートとほぼ同時期に建築された昭和のヴィンテージマンション「コープオリンピア」。昭和の東京モダンを体感できる素敵な空間です。まさに原宿の隠れ家レッスン!?

出迎えてくださった岸本じゅん子先生は「花」を生業にして24年のベテラン。生花(せいか・いわゆる切り花)はもちろん「プリザーブドフラワー(生花を乾燥/着色処理して枯れないようにした花材)」「アーティフィシャルフラワー(生花を精巧に模して造られた布製の花材)」と、扱ってきた花材は多様です。このお教室では特にプリザーブドフラワーとアーティフィシャルフラワーを使ったブーケを中心に教えています。

ブーケの特徴は女性が手に取って楽しむことが出来るということ。言ってみれば、女性の肌にいちばん近いところで花を楽しむ形なのです。そのため、岸本先生は「肌映り」がいいブーケを作ることを心掛けています。岸本先生のブーケは持つだけでパッとライトが当たったように美肌に見えたり、スタイルがバランスよく見えたり、小顔に見えたりするという、まるでマジックのような特徴が。それは緻密なカラーリングとバランスの計算から生まれるものなのだそうです。ウェディングブーケはその特徴が生きる最たるところ。

ウェディングブーケ、インテリアブーケも1日でOK

「andflower」のレッスンでも人気があるのが、ウェディングブーケを花嫁が自分で作る「ワンデーブーケレッスン」。たったの1日で自分だけのウェディングブーケが作れるフラワーレッスンです。予約した日に手ぶらで行ってレッスンを受ければ自分だけのブーケを作って持って帰ることができる(式場やご自宅への配送も可)という優れたプラン。

事前に打合せを1回(1時間程度、またはメールでのやり取りも可能)して、レッスンを1回(3時間程度)受けるだけ。新郎が胸に飾る小さなお揃いの花飾り「ブトニア」と花嫁の小さな髪飾り「プチヘッドドレス」も込みで3万5千円(税別)というお手頃価格だそうです。ウェディングフラワーのプロが、花嫁の着用するドレスや式場に合わせて丁寧に決めた花材を使用するのは、言うまでもありません。花の冠やリングピロー、ウェルカムボードやサンクスギフトと様々なオプションもあり、花に溢れたウェディングを演出するお手伝いも可能だそうです。

分刻みで動かなくてはならないウェディングの現場で、デリケートな生花のブーケを扱うのはなかなか難しいもの。その点、アーティフィシャルフラワーは作ったときのコンディションをさまざまな条件下でもキープできますので、ウェディングに最適の花材であると岸本先生はおっしゃいます。とくに海外ウェディングなどでは日本から生花のブーケを持っていくのは本当に難しいので、アーティフィシャルフラワーはいい選択肢ですよね。

このほかにも、誰でも1回から参加できる「インテリアブーケクラス」など、アーティフィシャルフラワーに最初に触れてみたい人にはぴったりのコースが用意されています。アーティフィシャルフラワーは、生花をリアルに再現し作られた花なので、その花の咲く季節や名前、飾り方などの知識も一緒に学ぶことができます。1レッスン1万円(税別)というお手頃な価格で、部屋に飾るインテリアブーケを作って持って帰れるなんてお得です。

独自のカラー理論で基礎固めするコース受講

上記のワンデーレッスンや体験レッスンなどを通してフラワーデザインに興味を持った人は、年間コースで受講するのがお奨めです。フラワーデザインの基礎を学ぶための「レギュラーコース(年間12回レッスン・1レッスン6,500円)」とインストラクター資格を目指す「ディプロマコース(基礎・中級・上級、修了後は開業サポートあり)」があります。

日本で花を活けるのにはざっくりと大別して2通りの流れがあります。華道とフラワーアレンジメントです。ブーケ作りにはフラワーアレンジメントが基礎となり、「andflower」では独自のカラーリング・メソッドとワイヤリングテクニックを中心にフラワーアレンジメントを教えています。壁には大きなカラーチャート(色合いを学ぶための色見本を配列した板)がありました。「andflower」のレッスンではこれが最も大事なのだとか。

「プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーという人工の花に生花のような命を吹き込むのはこのカラー理論なんですよ。」

「生花を使わないフラワーアレンジメントには『仕事にしやすい』という大きなメリットがあります。制作する側に優しいのです。生花の場合まさに『花の命は短い』ので、フラワーデザインの作業に加えて当日早朝の仕入れや、ブーケが新鮮なうちの配達をこなさなくてはならず、一日のスケジュールはもうバタバタです。それに比べて、プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーは枯れる心配がありませんので、時間やコストを管理しやすいというメリットがあり、そのぶんデザインに集中できます。」

その半面、プリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーの花弁は人工着色なので、色合わせによっては一目で偽物っぽくなってしまうというデメリットもあるのだそう。ところが「andflower」のプリザーブドフラワー、アーティフィシャルフラワーの特徴は「自然に感じられる・本物に間違われる」ほどだとおっしゃる岸本先生。リアルに見せるためには徹底的にカラー理論、つまりカラーリングを研究したといいます。

「私はセンスがないから…とか、やっぱり花はセンスですよね、っておっしゃる方が多いですが、じつはあまり関係ないです。カラー理論でカバーできますから。」

このカラー理論はたくさんの応用が利く優れたもので、ここで覚えれば洋服などを選ぶときのパーソナルカラー理論としても応用できます。生徒さんも自分に似合う色を選ぶことから入ると、いきなり「花の色合わせ云々」よりも入りやすいと岸本先生はおっしゃいます。

フラワーデザイナーという職業探し

フラワーデザイナーという仕事を選ばれたきっかけについてお伺いすると、幼いころからお花が大好きで何か花に携わる仕事がしたいと思っていたそうです。

「私が高校を卒業してお花の学校に行きたいと思った頃は、お稽古としてのフラワー教室が多くて、プロのフラワーデザイナーにはどうやったらなれるかの情報が少なかったんですね。まだネットもなかったので、一生懸命に本などを調べてなんとか今の自分につながる道を探しました。」

池坊の御茶ノ水のお花教室で生け花とフラワーアレンジメントを受講した岸本先生。学校時代の恩師のアシスタントから始まり、ほかのお教室で講師をしたりしながら自分のフラワーデザインを磨き続け、現在の教室を開いたのは10年前。美しいお花ですが、それで食べていくというのは会社勤めとはまったく違う道を模索する苦労だったといいます。そんな中でも先生のお花への愛はずっと変わらずに常に自己研鑽として積み上げられています。

「著名なデザイナーのレッスンで学んだり、パーソナルカラーの米国ライセンスを取得したり、ブランディングや経営について学んだり。お金と時間があれば常に自分に足りないものを学んだり、仕事に必要なものを揃えたり、そういったことに使ってしまいます。」

お花の世界はいわゆる徒弟制度というか、家元制度のような形があり、自分が教えて独立した人には「認定校」というライセンスを与えて関係を繋いでおくことが多いそうですが、自分で道を模索してきた岸本先生はそういう組織作りはせず、学び終えたお弟子さんの開業サポートにだけ徹するといいます。今までで開業した人数は15人ほど。決して多くはありませんが、岸本先生の真面目な考え方にきちんと応えて開業なさった人たちです。

お花のプロのワンポイントレッスン

今日はせっかくお話を伺ったので、普通の人がプロっぽくお花とつきあうワンポイントアドバイスをお願いします、とムチャぶりを言ってみました。嫌な顔せずに教えてくださったのは、まずは花束の作り方。

「好きな花材ついついあれこれ選んでしまうと、どの花も主役ばかり…という花束をよく見かけます。色合わせもそうだし種類もそうですが、主役は1つ。後はそれを引き立たせる花を選ぶことしか考えないことです。自分が見て楽しい、自分が好きな花束と、他人が見た時にお洒落だなと思う花束は違います。」

「インテリアの中に飾るお花も同じです。インテリア、花瓶、花まで統一感を持たせると花だけが違和感を醸さず、浮いたイメージになるのを防げるんです。シンプルな部屋にはシンプルな花、ゴージャスな部屋にはゴージャスな花。カントリー調にはカントリー調。カテゴリを混ぜないのがプロっぽく見せるコツですよ。一輪挿しでもお部屋の雰囲気・花器・花のキャラクターが揃っているのがプロの違いです。」

はぁぁ…勉強になりました!たったの一言でここまで明快に極意を教えてくださるとは、なんだか申し訳ないぐらいです。お花の美しさだけでなく、まっすぐでまったくブレない印象の岸本先生と過ごす時間の心地よさも「andflower」でレッスンを受ける魅力の一つかも知れません。

※写真は「andflower」のオリジナル・ハーバリウム。都内大手百貨店にて販売中。

(写真と文:小林晶子)

お教室情報

【表参道フラワースクール「andflower」】
●住所:〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6-35-3コープオリンピア725
●電話/FAX:03-6909-2314
●アクセス:JR山手線原宿駅/表参道口徒歩30秒、東京メトロ・明治神宮前駅/1番出口徒歩30秒
●メール:コンタクトページからお願いします http://andflower.info/contact.html
●ホームページ:http://andflower.info/
●ブログ:https://ameblo.jp/andflower-0305/
●レッスンスケジュール:第2・4週火・水・木・土・日曜
午前10時30分~/午後13時~
●定休日:月・金曜日

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